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会長あいさつ

日本私立小学校連合会 会長 重永 睦夫
日本私立小学校連合会会長
重 永 睦 夫

日本私立小学校連合会が誕生して、82年になります。
日本が米英等と戦争に突入した昭和16年。その3月1日に「国民学校令」が発令されました。これは、尋常小学校を「国民学校」に切り替えるという命令だったのですが、私立小学校は必要ない、廃止すると言われました。すべての私立小学校が一瞬にして消え去る非常事態でした。当時、我々の先人は極めて少ない勢力でしたが、この危難を乗り超えるために一致団結して立ち上がり、私立小学校としての揺るぎない信念をもって文部大臣と交渉を行いました。粘り強い交渉の結果、「初等学校」と名称を変えて私立小学校は存続させるという成果に結びつきました。今も東京地区が「東京私立初等学校協会」と名乗っているのは、その時の名残りなのです。いや名残りというだけでなく、あの苦境を決して忘れないという気持ちを込めています。こうした苦境を乗り越える中で、日本私立小学校連合会は発足しました。以来80年になるわけですが、このことを末永く語り継ぐことが、私立小学校教育の灯を守り続けていく道だと思っています。
さて、その本会創立当初と比べて時代は大きく変わりました。2024年4月現在の加盟校数は194校に上ります。全私立小学校245校のうち約80%の加盟率です。「私学は一つ 教育は私学から」の合言葉のもと、児童を見つめ児童に根差した初等教育の発展と私学振興のために結集し研鑽を重ねております。
いつ何が起きるかわからない世界情勢、毎年のように起きる大きな自然災害、アクティブラーニング(主体的、対話的で、深い学び)をはじめとする現代的な教育実践の課題、心のホームレスとも言える家庭生活の児童やアレルギー・各種の障碍をもつ児童の増加、「特別の教科」とされた道徳教育、どこまで進化するか予想もつかないAI(人工知能)、かつてはなかった山積する問題への対応を迫られています。
そういう中で、2020年初頭に発生した新型コロナウイルスはパンデミックを引き起こし、未曽有の3ヶ月長期休校を余儀なくされました。このことは、非常事態がいつ起きるか分からないこと、だから、どんなことが起きても対処できる力を日頃から蓄えておく必要性を痛感させられた事態でした。私たち私立小学校はそれぞれにオンライン教育を工夫するなどして、この重大な難局を乗りこえることができました。
実は、私立小学校数は、全国の小学校数に対してわずか1.2%です。だから、日本私立小学校連合会も非常に小さな組織です。しかし、取り組んでいることは、極めて大きいと自負しております。私たちは、それぞれの学校で異なる創立者と建学の精神、特色ある教育を進めており、この連綿とした建学の精神による教育があるからこそ大きな力が発揮できるのだと考えています。そして、特色のある全国の私立小学校が力を合わせるからこそ、多様な素晴らしい人材を育てることができるのだと思っています。
日本私立小学校連合会に加盟する小学校は、学校同士のつながりだけではなく、教職員も勤務校の枠を超えて研修や交流を重ね、私学人としての自覚を高め、お互いに協力結束しています。また、私たちは、子どもたちが大人になり社会的に活躍する時代まで視線を向けて、日本の小学校教育をリードする気概に燃えています。私たちは、これからも、日本の教育の中で数は小さくても大きな意味と力をもつ、日本私立小学校連合会に集う小学校であり続けます。